歩行分析とOAトータルケア

昨年10月登山をした直後から右膝内側痛、痛みは常時あり、歩行や階段の下りで増強する。

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ケース③72歳女性

患者病歴:昨年10月登山をした直後から右膝内側痛、痛みは常時あり、歩行や階段の下りで増強する。歩行時の痛みは、大腿から下腿への後面の痛みが出現する。登山は、ここ数年継続していたので、急に始めたわけではなかった。

整形外科に受診するがレントゲンは撮らず、膝関節症と診断される。しばらく通院し、湿布薬を処方され、患部を温める治療を行う。通院後3ヶ月経過したがあまり変化がないので、来院する。

臨床所見:靭帯、半月板の整形外科テストは、陰性。視診では右膝は、左膝に比べ、膝蓋骨周辺に軽い腫れがあり、仰臥位で膝の曲げ伸ばしで痛みが再現される。院内での歩行では、痛みのため踵を床につけることができず、つま先歩行をしている。下腿屈筋(ヒラメ筋・腓腹筋)の緊張が特に強い。

仮説分析:視診・触診・症状からも軽度のOAと判断する。

施術方針:歩行時に、痛みのため踵を床につけることができず、つま先歩行をしていることからも膝が軽度屈曲固定されており、まずは大腿・下腿後方筋群の拘縮を取り除くようにする。膝裏部に関しては、軽く牽引を加え、関節腔が開くようにしながら膝裏筋群のリリースを行うようにする。また膝蓋大腿関節の可動域改善も行う。その後、大腿四頭筋(特に内側広筋斜頭)の強化を図る。また、大腿四頭筋の内側斜頭強化と膝裏のリリース法についてのセルフトレーニングと歩行指導を行う。

経過:週に2度の施術を行い、現在までに合計10回施術を行った。下腿後面の緊張が強く、触れると痛みがあるぐらいだったが、徐々に改善し施術5回目頃には、踵を着地した歩行が可能になる。9回目時には、階段歩行が可能になる。2015年2月10日現在、VASは1となり全般的に改善している。経過みながら施術継続中である。

施術計画修正:自宅での下腿ストレッチを当初より処方したが、ストレッチすると拘縮が強いために逆効果になるので、お風呂でのセルフマッサージに変更する。マッサージは、ご自身が下腿筋の変化が理解できるため好影響である。

結果:まだ、階段を使ったりすると、痛みの増減に変化があり安定していないが、改善に向かってしると判断する。関節腔を開きながらの大腿四頭筋(内側斜頭)の強化と膝裏の筋リリースの効果は、変形性膝関節症には欠かせない治療と判断する。セルフトレーニングが軽視されているので、指導を継続するべきである。

考察:下腿屈筋拘縮と大腿四頭筋の弱化は相関関係にあると考える。下腿の後面、特に大腿骨付着部に拘縮が見られる。軽度のOAの場合は薬物療法との併用でなくても治癒に導くことも可能であるが、関節の腫れが強く出ている場合などは、薬物療法との併用が必要と考える。また歩行指導に置いて、つま先が外旋方向に向いていた歩行につて指導行い改善させた事も効果的だったと推測する。

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